何故経済学は役に立たないと思われるのか

私は計算機科学の学生で経済学は特別講義で一回習っただけで,あとは入門経済学とか読んだだけの知識です.でもまあ考察書きたくなったので書いてみる.

何故役に立たないと思われるのか

一つには,「一年後の経済状況の予測もできない」と思われているということが挙げられます.しかしながら,未来の予測なんて一年後どころか3日後だって不可能に決まってます.3日後のユーロの値段を100%当てられる人間がいたらそいつはとっくに億万長者です.

もう一つは,「有効な経済政策を示せていない」ということが挙げられると思います.実はこれが相当複雑な問題になっていると思います.

現代の経済学

授業の先生曰く,現代の経済学主流派は新古典派だそうです.有名な池田信夫氏や竹中平蔵氏も新古典派でしょう.新古典派の考えは,以下の2つに集約できると私は考えます.

  1. 手持ちの金でなんとかやりくりする(国債の発行をしない)
  2. 市場の失敗は政府が是正する

今までの認識と違うなあと感じたのは,現代の経済学ではケインジアン流の考えである,不況は公共事業で乗り切る,という考えを否定しているところです.新古典派は大規模公共事業を劇薬であるとして否定しています.

そのため,新古典派は不況時に有効な手立てを持っているとは言い難いです.新古典派の経済政策として挙げられるのは「給料を下げる」ことでしょう.給料を下げることで雇用枠を増やし,失業者を減らす策を取るのが新古典派です.当然猛反対を食らうでしょうし,「そんなことはわかっている」「だから経済学者は役に立たない」とか言われることでしょう.私も昔はそう思ってました.

しかし,現実問題として現在の日本を見る限り国債の発行による大規模経済政策が有効とはとても思えません.既に積み上がった国債の問題を抜きにしても,大規模経済政策には以下の二つの問題があるように思います.

  1. 不況から脱出した/してないの判断はどうするのか?
  2. 大規模経済政策によって本来の需要以上に膨れあがった産業をどう処理するのか?

以上2つの問題の解決策をどうにかしない限りは,大規模経済政策でなんとかしようと言うのは無謀ではないでしょうか.